筋トレと腎臓の負荷について

スポーツでトレーニングをする際に、筋トレを意識することが多いと思いますが、基本的に筋トレとは筋肉の破壊と再構築による強化です。

ところが、この破壊される過程でミオグロビンという物質が血液中に流出します。これらの除去に腎臓が仕事をしますが、夏場のトレーニングで汗をかくことで水分不足に陥ると、その調整のためにさらに腎臓が仕事をしなくてはなりません。
健康な人でも、オーバーワーク(修復が追いつかないほどの筋破壊)になった場合には、腎臓で処理しきれない(急性腎不全など)場合、緊急措置として人工透析が必要になることもあります。

スポーツ医科学レポート NO.12から抜粋

運動と腎臓への影響(水谷 大裕)

ミオグロビン尿:激しい運動で筋肉の障害が起こると、ミオグロビンが筋細胞外に逸脱し、血中に流出、腎を経て尿中に排泄されます。マラソンなどの長距離走や様々な運動で認められます。脱水や、炎暑・寒冷、運動の未熟練が誘発因子となります。自覚症状としては、運動後の着色尿の出現とともに四肢、腹部の筋肉痛や全身倦怠感を訴えます。この劇症型・進行型がいわゆる横紋筋融解症であり、急性腎不全に移行(3―7%)することがあります。最近では、阪神・淡路大震災後のcrush syn.が特に問題になりました(この場合は運動による筋肉崩壊ではなくて外傷に由来)。

つまり、激しい運動後に血尿っぽいのが出るときは、筋肉破壊が進みこれいじょうやるとまずいという注意信号ですね。

また、最近流行りのOS-1の摂取など必要のない電解質の過剰摂取でも一時的に人工透析が必要になることもあります(カリウム過多など)。

あらゆるスポーツのトレーニングにおいて、オーバーワークや補給不足は時と場合によって重大な病気を引き起こす可能性もあるので十分注意が必要です。

運動しない時に筋肉は強くなり(再構築)、臓器への負担も減るので完全な休息が必須です。とはいえ、自分自身の最近は休息が多すぎて負荷不足ですが(笑)